アメリカ人は殺人者である自らに苦悩しています。アメリカの若者たちは良心に問われています。
 ぼくたち日本人は、戦争を放棄した国民です。しかし、戦争を放棄するということは、自分たちの安全を他人任せにしておいていいということではありません。ぼくたちの安全とはなにでしょうか?
 非暴力の世界を構築する地球規模の世論を起こすために、ぼくたちは何ができるでしょうか?手を合わせてつぶやくだけでもひとつの行動です。しかし、もっと非戦の誓いを日本らしく言動に示すことも考えるべき時ではないでしょうか。
 イラク反戦運動は米国内でこのような展開を見せています…。

良識ある兵士への退役海兵からの力強い緊急メッセージ

 親愛なる友人たちよ

 我々は合衆国陸軍の退役軍人である。我々は合衆国のイラクへの総力戦に反対し、我が国の何百万の人々を含む人類の大多数ととともに立ち上がる。我々は多くの時代と戦争を経験し、多くの政治的立場を持ち、そして我々は皆、この戦争が間違いであることを認める。我々の多くは軍隊に奉仕することを自らの義務と信じており、我々の職務はこの国を防衛することである。我々の陸軍での経験は、自分達が教えられたことの多くに疑問を抱かせている。今、我々が知ったことは、合衆国陸軍の一員としての君たちが何のために戦い、死ぬべく派遣されるのか、また、君たちの行動の結果が人類にとって何であるのかに気づくよう促すことだ。我々は君たち現役兵士・予備役兵士に呼びかける。自分の良識に従い、正しいことを行えと…。

 前回の湾岸戦争の部隊で、我々は安全な距離から殺人を行うよう命令された。我々は空から沢山のイラクを破壊し、何百万もの民間人を含む人間を殺害した。バスラへの「死のハイウエイ」で、我々は逃げ惑うイラク人を殺すよう命令されたことを思い出す。ブルドーサーで塹壕を掘り、生きている人間を焼いた。劣化ウラン兵器の使用で戦場に放射能が残留した。除草剤や試験的薬物の大量使用、化学兵器倉庫の焼き討ち、石油火災などが毒物混入をもたらし、イラク人にも、そして今退役している湾岸戦争の兵士たちにも、その作用が及んでいる。湾岸戦争の退役軍人の4人に1人は障害者だ。
 ヴェトナム戦争の時、我々は空から陸からヴェトナムを破壊するよう命令された。ラエで、我々は500人以上の女性、子ども、老人を殺戮した。しかもそれは、常軌を逸したことではなかった。それが我々の戦争の戦い方だったのだ。我々は敵に枯葉剤を使用した。そして、その手っ取り早い効果を知った。我々は精神的後遺症がどんなものであるか身にしみて知った。2百万以上の男達、女達そして子どもたちの亡霊が、今でも夢に出てくる。我々の多くは、戦場で死ぬよりも苦しく、帰国後生き永らえている。

 もし君たちがイラク侵攻に参加する道を選べば、占領軍の一員となるだろう。君たちのことを骨の髄まで憎んでいる人間たちと眼を合わせる気分はどんなものか、それが君たちに判るだろうか…。自分の使命が本当は何であるか、君たちは考えるべきだ。
 君たちは、その生命を救いその幼子たちを抱き上げようとしている、君たち・私と同じ人間を、侵略し占領するために派遣されようとしている。彼らは、たとえその指導者として暴虐の専制者を持っているとしても、合衆国を脅かすおそれなどない。イラク人民にその国のあり方を教える合衆国の人間は誰なのか。合衆国では多くの人々が自分の国の大統領の選出の正当性を信じていないというのに…。

 サダムは自分の人民をガスで殺し、大量破壊兵器を増産しようとしていると中傷されている。しかし、サダムがその最悪の罪を犯した時、合衆国はそれを支援していたのだ。この支援には生物・化学兵器の生産手段の供与が含まれていた。 それと引き換えに、合衆国は膨大な経済的保障を引き出した。百万以上の主として子どもや幼児がその保障のために死んだ。病院・発電所・浄化設備を含む彼らの国のインフラ全体を破壊した後、合衆国は保障を傘にして、衣料品・機械部品・化学薬品など、彼らの最も基本な生活必需品の修復に必要な物資の輸入を止めた。

 殺人者にはいかなる名誉もない。この戦争は名をかえた殺人だ。
 不正な戦争の中で間違って爆弾が落とされ、母親とその子どもたちが死ぬとすれば、それは「被害はお互いさま」ではない…。殺人なのだ。
 不正な戦争の中で汚水処理施設が爆撃で被害を受けたため、子どもが赤痢で死ぬとすれば、それは「敵のインフラを破壊する」のではない、それは「施設の指揮管理系統を麻痺させる」のではない…。殺人なのだ。
 不正な戦争の中で徴用された千人の貧しい農民が、自分達の全生活を営んできた町を守る塹壕の中で死ぬとすれば、それは勝利ではない…。殺人なのだ。

 イラクに対するこの戦争に率先して反対し、君たちの参加をリードする退役軍人は存在するだろう。
 ヴェトナム戦争の時、ヴェトナムと合衆国の何千人もの人々が、命令に従うことを拒否した。多くの人々が抵抗し反抗した。多くの人々が確信的反対者となり、また別の人々は、いわゆる敵なるものに銃を向けるよりも監獄へ行くことをあえて選んだ。
 前回の湾岸戦争の時、多くのGIたちがいろいろな理由により、いろいろな手段で抵抗した。我々の多くはそうした戦争を潜り抜け、そして反戦運動に参加している。

 世界中の人間が永遠に自由であるならば、世界市民となることが一国の兵士となることより優先する時が必ず来る。そして、今がその時なのだ。たとえ命令が出たとしても、君たちの回答が、中東やこの国に住む何百万もの人民の生活に大きなインパクトを与えるだろう。君たちの回答が我々の未来の道を決める助けとなるのだ。
 君たちの司令官は従順を求める。我々は君たちに是が非でも考えてもらいたい。我々は是が非でも君たちが自分の良識に基づく選択をしてもらいたい。君たちが抵抗を選ぶなら、我々は君たちを支援し、君たちとともに立ち上がるだろう。我々の「真の」義務は、世界の人々と我々の共通の未来にある。このことを我々は理解したのだから…。


2003年1月31日付の連署者名(95名)

Ed Armas, Army, 1962-65 / Peter B. AShaw, Marine Corps, 1951-54 / Tarik Aziz, Army, 1970-75 / Niall Aslen, Royal Air Force, 1962-86 / Aram Attarian II, Air Force, 1965-66 / Collin Baber, Air Force, 1994-98 / David E Baker, Army, 1988-91 / Philip L. Bereano, USPHS, 1966-70 / Anton Black, Navy, 1977-84 / Dave Blalock, Army 1968-71 / Michael Blankschen, Army, 1972-73 / David Bledsoe, Air Force, 1987-97 / Louis Block, Army, 1966-72 / Blase Bonpane, Marine Corps Reserve, 1948-50 / Fr. Bob Bossie, SCJ, Air Force, 1955-59 / Don Broadwell, Marine Corps, 1960-66 / Roger W Brown, Marine Corps, 1957-60 / Greg Busby, Air Force, 1980-2000 / Rick Campos, Air Force, 1969-71 / William J. Cavanaugh, Army, 1951-53; Army Reserve, 1953-82 / Fredy Champagne, Army, 1965-66 / Elwood A. Chirrick, Navy, 1970-72 / Debra J. Clark, Army, 1976-84 / Rockney Compton, Army, 1967-74 / James M. Craven, Army, 1963-66 / Charlotte Critcher, Army, 1964-1971 / Carl Dix, Army, 68-1972 / Barry Donnan, British Army, 1987-93 / Pat Driscoll, Navy, 1972-75 / Kenneth Dugan, Navy, 1984-88 / Jake Elkins, Marine Corps, 1965-69 / Marcus Eriksen, Marine Corps, 1985-91 / T. Patrick Foley, Navy, 1997-2000 / Dr. Ray Foster, Army, 1972-75 / Lou Fox, Army, 1965 / Dean Friend, Marine Corps, 1981-85 / India Mahdi Gamboa, Air Force, 1985-87 / Ernest Goitein, Army, 1943-45 / Jay R Goodman, Army, 1969-70 / Todd Greenwood, Marine Corps, 1993-2001 / James F. Harrington, Air Force, 1966-67 / Rev. Richard K. Heacock, Jr., Navy, 1944-46 / Glenn Helkenn, Army, 7 yrs / Dud Hendrick, Air Force, 1963-67 / Rodger Herbst, Army, 1969-71 / Andres Hernandez, Navy Reserve, 1979-85 / John Hockman, Army, 1963-65 / Walter Hrozenchik, Navy, 1951-55 / Eric Edward Johansson, Army, 1989-92 / James Michael Kearney, Army, 1963-65 / Keith Keller, Air Force, 1966-72 / Ron Kovic, Marine Corps, 1964-68 / Robert Krezewinski, Navy, 1973-77 / Marty Kunz, Navy, 1970-76 / Krystal Kyer, Navy, 1993-97 / Neal Liden, Navy, 1965-69 / Mark McCleary, Navy, 1996-2002 / Teresa Media, Navy, 1972-77 / Jack Minassian, Army, 1943-45 / Michael Moore, Army, 1975-79 / Paul S. Moorhead, Navy, 1943-46 / Catherine Morris, Marine Corps, 1981-85 & Army Nat Guard, 1989-96 / Paul Pat Morse, Air Force, 1965-68 / Bryan Morrison, Air Force, 1994-98 / Stan Nishimura, Army, 1964-67 / Bruce McFarland, Navy, 1982-86 / Rob Moitoza, Navy, 1965-71 / Dale L. Morgan, Air Force, 1956-60 / David Rees Morgan, British Royal Air Force, 1948-50 / John J. Pagoda, Air Force, 1965-68 and 1985-98 / Todd A. Papasadero, Army, 1983-89 / John Pappademos, Naval Reserves, 1943-46 / Jeff Paterson, Marine Corps, 1986-90 / Wilson M. Powell, Air Force, 1950-54 / Erwin Rommel, Army, 22 yrs / Randy Rowland, Army, 1967-70 / Rodney A Rylander, Air Force, 1962-67 / Lee Santa, Army, 1965-68 / Nikko Schoch, Army, 1968-70 / Betty R. Scott, Navy, 1943-45 / Charles T. Smith, Army, 1969-71 / John Steinbach, Coast Guard, 1965-69 / Darnell S. Summers, Army, 1966-70 / Thomas Swift, Army, 1953-55 / Harold Taggart, Air Force, 1959-64 / Toby Tahja-Syrett, Army, 1992-96 / Tom Trigg, Army, 1967-75 / Joe Urgo, Air Force, 1967-68 / Gerald Waite, Army, 1967-82 / William H. Warrick III MD, Army Security Agency, 1968-71 / Joel Wendland, Army, 1991-93 / David Wiggins MD, Army, Gulf War / John P. Wirtz, Army, 1943-46 / Mike Wong, Army, 1969-75 / Howard Zinn, Air Force, 1943-45


これをコピーして他の退役軍人へ届けてください。

「もし仕事の関係で難しいとは思えても、人は非暴力で生きるよう求められているのです。合衆国全体を非暴力の革命に転じさせることができるかどうか、それは分かりません。しかし、そうした努力の一つ貴重な点は、何かを良くするための暴力は無力だということです。」(ダニエル・ベリガン)

「我々は互いに殺しあう群れとして神が創造したのではありません…。ゴスペルがそう言っています。嘘と戦争は常に結びついているのです。戦争メーカーが彼らの今の戦争を弁護しようとするとき、彼らに気をつけましょう。唇を動かすたびに、彼らは嘘をついているのです。」(フィル・ビリガン)

「不正を目にし、何も言わないなら、あなたは抑圧者の側にたってしまう。」(デズモンド・ツツ)

「まず社会正義に目をむけることなしには個人の救済は達成されないと、説教者があなたに告げるとすれば、そのことだけで、あなたは自分が間違った予言に耳を傾けていると考えてよいのです。」(シドニー・ハリス)