人文社会系体育・スポーツ研究の支援

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  このページでは最近の体育学の人文・社会系の研究の中でも特に身体の教育思想史という分野から見た人間の身体運動のこれからの研究方法に関する展望を示します。

  体育・スポーツと呼ばれて久しいわたしたちの研究分野は、今日の人間学の目ざましい展開状況の中で、運動と思考の領野の融合した表現技術の科学的研究へと招かれることになると思われます。わたしの研究は、主としてフランスの教育思想史としての身体形成論の歴史に重点をおいてきましたが、研究過程で学んだことは、長い歴史の中で何度も挑戦されてきた文化と自然の融合という思想的課題が常に社会の発展に対応して時代ごとに何度も提起されているという事実です。体育やスポーツの歴史はそうした流れの中の一つです。今日ほど体育・スポーツが社会の動態と深く結ばれている時代はありません。この分野の研究者たちの多くがそのことを意識し、スポーツ文化という言葉が市民権を得ていると信じています。しかし、体育やスポーツが教育という機能を介さずに直接 《文化》と呼ばれるにたる社会システムを構築するためには、まだまだなすべきことが多いのです。このページではそのための基礎的な研究成果を紹介することにします。

清水重勇